K-5ⅡsでのHαの写り
先日アストロアーツのギャラリーでK-5Ⅱsで撮影した見事な北アメリカ星雲と、バラ星雲を見て、今度のカメラはHαの赤い光が写るらしいことを知りました。
Hα(エイチアルファ)というのは水素原子の出す赤外線に近い赤い光です。宇宙では星雲がこの光をたくさん出しています。
デジタルカメラのセンサー自体は赤外線に感度があるのですが、通常の写真では色が変になるということで、赤外カットフフィルターでHαの赤い光は写らないようになっています。せっかくの星雲もデジタルカメラでは写らないのです。
そのため一部のマニアでは、赤外カットフィルターを取り外す改造が行われています。
これまでのPENTAXデジタル一眼レフカメラではHαはほとんど写らないので、これまで、このタイプの星雲を撮ろうとは思いませんでした。しかし、今回のK-5IIsはどうも違うようなのです。
そこで代表的なHα星雲である北アメリカ星雲が写るのかどうかテストしてみました。もともと大変淡い星雲ですので、暗い空と明るいレンズと長時間露光が必要です。はたしてどれほどいけるのか?
撮影場所は自宅から1時間で行ける、標高500mほどの山。気温は10℃ぐらいでした。
2012/11/03 19:34:45
ISO 400,265秒露光、DA☆200mm(F2.8)
TOAST Proで自動追尾,PhotoshopCS5でレベル補正と,トーンカーブ補正。
以下レンズと画像処理はすべて同じ。
約4分の露光ですが、結構写ってるなという印象です。
もう少し露光を伸ばしてみました。
ISO400,389秒露光。
ガイドが失敗してますが、まあそれはおいといて、6分以上の露光でも画面が荒れずに大丈夫でした。
このあとISO1600でも試しました。これもガイドは失敗。あとで調べたら雲台の取り付けが甘かったようです。それと左上の暗黒星雲のような影はセンサー上のゴミです。まあ、写るかどうかのテストということで勘弁願いましょう。
ISO1600,242秒露光。
ISO1600でも実用レベルと思います。これ以上は空の明るさでかぶったので無理でした。もっといい空ならもっとコントラストよく写るでしょう。
Hαが写るというのは本当です。
この写真は別の日に構図決定用にテスト撮影した超高感度のものです。
2012/11/07 18:46:06
ISO25600,23秒露光。DA☆200mm(F2.8解放)
わずか23秒でも十分星雲が写りました。1枚では粒子が荒れて作品とはならないでしょうが、短時間露光でたくさん撮ってコンポジット合成するという方法もありでしょう。
今回北アメリカ星雲を撮ったのは高校以来です。高校時代はHαが写る特殊フィルムで挑戦してました(ブログにあります)。何十年ぶりかで北アメリカ星雲を撮影できて、忘れていたものがよみがえった感じです。
(2012.11.3)
追記(2012.11.8)
その後きちんと撮影した写真はブログにアップしました。→クリック