南オーストラリア皆既日食
もくじ
日食の概要
2002年12月4日にオーストラリア南部を皆既日食帯がかすめました。今回選んだ観測地は日没前の夕日に起こります。夕日の皆既日食を見るという目的で観測地を選びました。皆既時間わずか30秒でしかも低空なので、ちょっと雲に遮られるとアウトです。結構リスクが高いです。見えたらラッキー。
目的地はアデレードの西にあるセドナという小さな町。
シドニー
ツアーはシドニーから入りました。この日は観光と移動。12月なので夏のはずですが、意外に肌寒い気候でした。
おなじみのオペラハウスを見学しました。
アデレード
そこからアデレードへ移動し1泊。ホテルがアデレード動物園に近かったので、朝一番の開園で行ってきました。
目的はタスマニアデビルを見るため。
このときは活発でしたが、やがて寝てしまって動かなくなりました。夜行性なのです。
さて、アデレードからバスで南海岸を走ってひたすら移動。途中の町で夜の星空観望会。南半球の星空。
この時期は南十字星は地平線すれすれに低いです。
PENTAX LX
SMC PENTAX A16mmF2.8
その代わり、マゼラン星雲が高く上っています。
(クリックで拡大)
天の南極は南極星はないですね。
下の写真は上ってきたオリオン座。日本で見るのとは逆さまになってるんですよ。これは東の空だけど、上ってくる傾きが日本と逆です。
観測地へ
さて、翌朝はけたたましいオウムの大群の鳴き声で起され、観測地へ出発です。
大きなホテルはないので、テント村に泊まります。日食前日に到着。
今回はポータブル赤道儀に小型屈折望遠鏡で臨みます。
テントの中はオーストラリア国旗のベッド。
2002/12/03 20:45:34
NIKON E950
小さな町ですが、お祭りのように盛り上がっていました。
大道芸人。
日食グッズ販売。
日食観測
翌朝、12月4日はいよいよ日食の日。夕方に起こるのでとりあえずゆっくり準備しました。
そしてこれが観測地。町から少し離れた丘の上。
南極からの冷たい風が吹きます。
準備中。
2002/12/04 15:11:14
2回目の日食とあって、ちょっと今回は機材を欲張りました。フィルムカメラ2台と、ビデオカメラ2台。それぞれ広角と望遠。
2002/12/04 15:11:14
皆既時間わずか30秒なのにこんなにめんどう見れるかどうか?
いよいよ日食の始まり。しかし、雲が.....
太陽は雲の中。月の影が接近してきます。
このまま雲の中で皆既になってしまいました。今回の皆既時間はわずか30秒。果たして雲から出てくるのか?
そしてすぐにダイヤモンドリング。
日食の動画
動画でもご覧ください。
あっという間のできごとでした。広角用のカメラはミノルタの一眼を使いましたが、初めてのオートフォーカスカメラでした。ところが皆既ちょっと前からオートフォーカスがだめでシャッターが切れませんでした。結局、皆既中の写真はビデオから画像を切り出す羽目に。これ以降日食時にオートフォーカスは使わないという原則を学んだのでした。ビデオカメラもダイヤモンドリングからはピントを外すことが多いです。日食はマニュアルで無限固定が鉄則です。(追記:その後2009年の北硫黄島の日食でNHKのカメラが、ダイヤモンドリングのピントを外してるのを見て、やっぱり日食はオートフォーカスを使っちゃだめという感を強くしたのでした。)
同じツアーの早乙女さんが連続写真を撮りました。皆既中だけ雲に入ったのがわかります。また、南半球なので西に沈む太陽の傾きが日本と反対になっていますね。
(早乙女由徳さん撮影)
日が暮れていきます。
テント村へ戻ると、ここでは雲の間からちょうど黒い太陽が見えたということでした。ちょっとの場所の違いが明暗を分ける。これが日食なんですねえ。
その夜は花火も上がりお祭り状態。
アデレードで有袋類と遊ぶ
翌日はアデレードへ戻ります。次の移動まで時間があったので、ツアーで同室になった方+αでアデレード郊外の動物園へ行くことにしました。ここは放し飼いの動物が見られます。
エミューに接近。
ネズミカンガルーに接近。この後すぐ逃げられました。素早いです。
カンガルーも間近で。
大きな足。
コアラも間近で。
そしてコアラに触れることも出来ました。ふわふわでとても気持ちの良い感触でした。
2002/12/06 10:31:29
NIKON E950
日食は残念ながら不完全燃焼でしたが、オーストラリアの辺境へ行けて、楽しい旅でした。