月面X
今日は「月面X」が見られると聞いて、久しぶりに月面観望と撮影を行いました。
「月面X」というのは半月(上弦の月)の頃に見える「X字型に光る地形」です。クレーターの縁を太陽が照らす具合で「X」の文字が浮かび上がります。
2014/11/29 19:15:18
PENTAX K3,ISO3200,1/125s
高橋製作所FC-76屈折望遠鏡+PENTAX XP24接眼レンズで拡大。
スペースボーイ赤道儀で自動追尾。
以前撮った半月の写真から「X」の部分の地形がわかるものがありました。
○で囲んだ地域のクレーターの縁がX型の模様に見えるわけです。月面は地球に向けている面が揺れ動くので、半月だからといっていつもXが見えるわけではありません。同じ月齢でもXが見えないことがあるのがこの写真からわかります。
そして月齢21の下弦の月では,反対側から太陽光が当たります。
今回は月で初めて「HDR」合成を行ってみました。これは露光を変えて3枚撮影し合成する撮影法です。明暗差の大きい対象の明部と暗部を写し出すことができます。K3ではHDRモードにすれば撮影時に自動で3枚連写して合成できます。
2014/11/29 18:50:01
1/125sの前後2段を合成(HDR2モード)
月の欠け際と縁の明るさはかなり差があるので、うまく使えば両方を描画できそうです。確かにこの写真を見ると、欠け際の暗い海が1コマ撮影の写真より出ていますし、白く飛びがちな欠け際から離れた部分も海の色やクレーターがよく描写されています。ただこのような天体の拡大撮影では3枚の写真が気流の乱れでずれることが多く、ぴったり重ねて合成できるには気流の良さも必要なようです。今回は「お試し」ということで紹介しましたが、HDRでの月面撮影にはまだまだ可能性がありそうです。