目で見るインフレ(1)~ジンバブエ
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アフリカの南部、南アフリカ共和国の隣のジンバブエという国を知っていますか。
2015年6月15日に「ジンバブエが自国通貨を廃止」というニュースが流れました。自分の国のお金を作るのをやめるというのは、独立国の重要な機能の1つを放棄したということです。
これがジンバブエのおかねです。上は2007年発行の1ドル札。下が2008年発行の20兆ドル札です。わずか1年でものすごいお金の価値の暴落です。これは独裁者である大統領の経済政策の失敗が原因とされています。2008年には「卵1個が1000万ドル」になったそうです。
ニュースによれば、今回「3京5000兆ドルをアメリカの1ドルと交換」してジンバブエのドル札を回収するそうです。この20兆ドル札でも1750枚でやっと1アメリカドル=約124円(当時のレート)。交換する人はほとんどいないだろうと言われています。
このインフレでは最終的には100兆ドル紙幣まで行きましたが,ついにお金の発行を断念したということでしょうね。最高額紙幣でも大量の紙幣でようやく1アメリカドル。これでは紙代と印刷代だけでもバカになりませんね。お札を作るほどに赤字になったのでしょう。
実物を見るとお金の価値のすさまじい下落ぶりが実感できました。
日本も膨大な借金を抱えていて、いつこうなるか分かりませんね。たった1年でこうなってしまうんですから、始まればあっという間でしょう。
恐ろしや。
今ではこれらの紙幣は数千円から1万円程度で売買されています。正規にアメリカドルに交換するより,よっぽど価値があります。皮肉なものですね。
コメント
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売る方が高い
このお札をeBayで売る方が自国でUS$に交換するより効率よく現金(US$)になりませんか?
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Re: 売る方が高い
>>1
ほしい人に売る方が、紙くずよりははるかにましでしょうね。今では貴重な資料かもねえ。
1750枚=1ドル分手に持ってみたかったな。
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大統領辞任
このハイパーインフレの原因を作ったムガベ大統領が,軍のクーデターでついに辞任しました。
次の政府は新しいお金を発行するのでしょうか?
関心を持って見守りたいと思います。